でオーストラリアの歯列矯正に関して過程や費用について説明しました。
実はその投稿では詳しく話してないことがありました。
それは僕の歯列矯正治療のケースでは、オーストラリアで歯列矯正を完了する為
受け口だった為に顎変形症の手術が必要だということ
去年の6月にOrthoganic Surgery /Double Jaw Surgery という手術を受けました。
おそらく日本人で知っている限りでオーストラリアでおそらく歯列矯正を終了させる為に顎の手術まで受けた人はいないと思います。
もし同じ経験をされた方がいられましたら下記のコメント欄から教えてください!
目次
手術(Orthoganic Surgery)
手術病院
メルボルンのRichmondにあるEpworth Hospitalの外来手術室で行いました。
朝7時に受付で前日の深夜からは絶食です。
当日の手術前の内容は前回の親知らず抜歯手術と同じような感じです。

執刀医
今回執刀してもらった医師はMonash Health の元手術チームのトップで、経験豊富のドクターでした。(Oral Maxiofacial Surgeon:口腔顔面外科医)親知らず抜歯の際もこの外科医に執刀してもらいました。
術後の痛みはほぼありませんでした。
手術時間
手術時間は約5時間40分かかったそうです。(メディケアの麻酔使用時間参照)
入院期間
1泊だけでした。日本で同じ症例を見ましたが日本では1週間ほどの入院期間があるそうでした。次の日の午後1時ごろに担当医が経過を確認しに来て、もう一泊するかどうか聞きましたが、普通に歩いたりできていたので、午後3時ごろには退院しました。帰る前にたくさんの痛み止めや抗生物質を処方されました。
入院中の生活について
食事以外に一切制限はありませんでした。部屋のテレビはネットにつながっていてNetflixも見たり飲み物を頼んだりすることができたので普通にNetflixを見ながらリラックスして過ごしていました。あまりにも暇だったので病棟を歩き回ったりもしていました。でも一日目はベッドの上にほとんどいました。

手術後の会話について
手術後すぐはまだ口があまり開きませんでしたが、数時間で口が少しずつ開き普通に会話できるようになりました。担当医からも筆談をするより実際に話す努力をしたほうが治りも早くなりやすいと言われたので筆談は手術後最初の数時間だけでした。
入院中の食事
スープ・鶏ガラスープ・ジュースだけでした。
[ほかのブログではストローを使って食事をしたと書かれていましたが、僕の担当医はストローを使うと顎の位置がずれる恐れがあるからスプーンを使って食事するように指示されました。手術費用
手術費用(両顎+あごの骨移設) | $9140 |
麻酔科医費用(Medicare/保険で$1909.35カバー) | $500 |
病院入院費用(手術費用・手術室使用日など含む)(保険の自己負担分 | $500 |
処方箋 | $50~ |
退院後普通の生活に戻るまで
顔の腫れは最初の1-2週間はかなり腫れあがりました。顔だけでなく唇や顎周辺がはれ上がりました。もちろん、術後2−3週間は口周辺は痺れを感じ感覚がありませんでした。時間が経過するにつれて戻ってきました。術後初めて髭を剃った時は剃っている感覚がありませんでした。でも1ヶ月もすれば感覚はほぼもどりました。
親知らずを抜いたことがある人であればわかるかもしれませんが、それくらいの腫れが3週間ぐらい続きます。もちろん時間がたつにつれて腫れは収まってきますがそれでも普段より顔のサイズが大きくなりました。
仕事復帰まで
仕事復帰までは約5週間で普段通りの仕事に復帰することができました。教員という仕事柄声を使い顎を動かすことが多いのではじめのうちは心配になりました。口を大きく開けたり声をあげたりしたときは少し痛みが出ましたが1週間以内に痛みも引きました。
退院後の食事・生活
最初の1か月
基本的にスープです。奥さんがたくさんの種類のスープを作ってくれたので何とか飽きることなくすごせましたが、噛むことができなかったでとても歯がゆい感じがしました。また、痛みが治まるまでは常にパナドールやイブプロフェンなどの錠剤をのまなければいけませんでした。
3週間目ほどからは肉やパスタなどの固形物を小さく切って噛まずに飲み込むという生活をし始めました。そのおかげで少しは味に種類が増えました。
そして寝る際は骨が固まるまでの1週間は横になって寝るというよりは座って体を立てたまま寝るというかなりリラックスできないような寝かたをしなければなりませんでした。
噛むことが生活から減り、流動系の食べ物ばかり食べていたので体重は1か月で約8キロ減りました。でも普通の生活に戻ってたくさん食べるようになって徐々に体重は戻りました
余談ですが、このころに普段ミルクが飲めないので豆乳(Vitaソイ)にはまり、たんぱく質を摂取するために飲みまくっていました。一本ずつではなく箱買いしていました。

その後
普通の食事に戻りました。今でも固いものは避けていますが、ほとんどのものは制限なしに食べられるようになりました。
手術後にすること(術後経過チェック)
手術後1週間後に担当のOral Maxiofacial Surgeonの診察を受け、術後経過をチェックしてもらいました。
また1か月後・2か月後とも同じようにOral Maxiofacial Surgeonの診察を受けました。半年後12月にももう一度半年の経過を確認しました。今のところ順調です。
次は1年後である今年の6月にまた診察で術後経過を確認してもらう予定です。
矯正器具のゴムバンド固定
手術後はとくに新しい顎の形と歯のかみ合わせがよくなるように固定ゴムバンドはとても重要でした。歯磨きをする時もしくは食事をする時以外を除いて常につけていなければなりませんでした。

術後1週間後レントゲン写真

写真でみたらわかるように上下両顎を切開したためにボルトやプレートが見えると思います。
歯科外科協会のパンフレットに載っている絵も掲載しておきます。

あと、術後に抜歯は必要ありませんでした。今回外科医が使った糸は抜歯が必要の無い方法で行なってくれました。顔に埋まっているプレートも取る必要はなく、将来どうしても取りたくなったり、生活に支障をきたすようであれば手術で除去が可能です。でも外科医曰く、このままで大丈夫とのこと。
術後6ヶ月が経ち
普通に生活しています。変わったことと言えば最初の数ヶ月は顎の噛み合わせが変わったために食事の仕方が難しく感じましたが、今は全て順調に進んでいます。
注意
この手術は医療を目的に行なっているので、今回はMedicareとHealthInsuranceに多くの部分でカバーされました。これを美容目的で行うと全額負担となりMedicare等のカバーは一切ありませんので注意してください。
手術等に関して質問等あればご気軽にどうぞ
娘が来年オーストラリアの大学に行くことを決めました。そして大急ぎで1月に顎変形症手術をすることになりました。手術後のメンテナンスを心配して主治医からは日本の大学じゃだめなの?と言われていますが、本人の決意は固く来年6月ごろに出発するようです。
一人で病院を探しオーストラリアで矯正をしていくのは困難でしょうか。またこの場合でも保険は使えませんか。ご存じでしたら教えてください。
質問ありがとうございます。歯科矯正はやはり個人差があるので確実な回答をすることは出来かねます。しかし、個人的な体験であれば、手術を受けたのは両顎の歯並びをある程度直してから手術を行いました。術後のメンテナンスとしては1週間後・1か月後・3か月後・6か月後・1年と術後経過の確認がありました。そして手術後の6カ月目に矯正器具を外して基本的な治療等はすべて終了しました。約1年後の今年6月に担当の外科医より1年の経過がすべて順調で完全に歯科矯正治療が終了しました。
もちろん、歯科矯正をすでに始められているのであれば、渡航前に担当の医師から治療経過報告書的なものを英語で書いてもらえればオーストラリアでも治療が可能かもしれません。でもそれは確認してみてください。
でもまだ始めていないのであればオーストラリアでは歯科治療がとても進んでいるのでどこでも始めることが可能だと思います。娘様が行かれる場所にもよりますが、メルボルンでは日本人スタッフ在中の歯列矯正クリニックもあります。
保険に関してはおそらくカバーされないと思います。多くの海外旅行保険に入っている歯科保健は基本、歯が痛くなったなど緊急で治療が必要になった場合のみ適用になると思います。それは保険会社さんと確認してみてください。現地の私費保険保険でも少なからずはカバーされますが、帰ってきて1割程度です。オーストラリアで歯列矯正は2-3年の治療期間で約6500-8000ドル程度になると思います。5年前に始めたプランは約6500ドルでした。もちろん、矯正の状況にもよりますが、
ちなみにですが、どちらの大学をご希望されていますか?高校卒業後すぐに大学への進学は多くの場合進学準備コース(ファウンデーションプログラムを経ての進学になります)が必要になると思います。もちろん科目やコースによってはちがうかもしれませんが。